動悸、息切れ。これって・・・その3

これはまだ、私が大学から地方の病院に出向していた時の話です。一か月前に奥様が急に亡くなった方が、ご家族と一緒に外来に受診されました。ご家族曰く「母が亡くなってから食欲もなく、最近になって動くと苦しいと言っている。何もやる気がなく、そのくせ夜中はずっと起きていて家族に呼びかけるので家族が夜休めないので困る。きっと神経の問題だから何か安定剤でも出してくれ」というのが連れてきたご家族の言い分でしたが、診察してみると胸の音はゼイゼイと喘鳴がひどく、足もむくみ、明らかな心不全症状でした。あわてて胸部のレントゲンを撮影したら案の定肺が水浸し状態でレントゲンでは真っ白。(ふつう肺はレントゲンでは黒っぽく写ります。)即日入院をして心不全の治療をしたら、すっかり元気になられました。これは極端な例ですが「息が苦しい」という症状は多くの場合は心臓、呼吸器の症状です。最低限でも胸部レントゲンと心電図検査(できれば24時間心電図)は受けたいところです。

中澤医院|高崎市の内科

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