カテゴリ: 心療内科

不眠の話 その3

二つ目のタイプとしては、寝つきは良いのだけれど2~3時間で目が覚めてしまう、中途覚醒というタイプの不眠です。目が覚めてまたすぐ眠れるなら、それほどの問題はないのですが、覚めた後が眠れない場合は、やはり薬を使うことになります。しかしこの場合は「睡眠導入剤」はあまり効果がありません。むしろ比較的ゆっくり効いて、3~4時間くらい効果のある薬を使うことが多いです。時々、このタイプの不眠で睡眠導入剤を処方されて「まったく効かないからもっと強い薬をくれ」というかたが受診しますが、薬の強い弱いではなく、薬が効いている時間の問題が多いので、注意が必要です。

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不眠の話 その2

「眠れない」という訴えをするかたの一つ目のタイプは、「寝つきが悪い」 いわゆる入眠障害というタイプです。このタイプは睡眠導入剤の適応となります。睡眠導入剤というのは早く効果が出現して、早く体内から排出される薬物です。そのため、飲んでから1時間以内に効果が出て、翌朝には残らないというのが一般的です。もうひとつ、寝つきが悪いかたがよくやる誤りで、「早くから寝床に入って眠くなるのを待つ」というやりかたがありますが、これは逆効果になることがあります。「眠くなるまでなにかしていて、眠気が来たら寝床にはいってパッと寝る」ほうが寝つきはよくなると思われますのでいちど試してください。

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不眠の話 その1

心療内科にかかるかたの半分以上は、睡眠に関する問題を抱えています。またその大部分が「眠れない」という訴えです。この「眠れない」という症状ですが大まかに分けてみっつに分けることができます。ひとつは「寝つきが悪い」入眠障害。ふたつめは「途中で目が覚めてしまう」中途覚醒。みっつめは「何時にねても決まって早朝に目が覚めてしまう」早期覚醒です。

ただ「眠れない」というだけで「睡眠導入剤」をつかうとなんの効果もないことがあり、この点をしっかり区別することが重要となります。

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心療内科と精神科 その2

それでは、どのような時精神科にかかるか、あるいは心療内科にかかるかわからない、という声がよく聞かれます。とりあえず、やる気が出ない、仕事に行きたくない、といった症状の場合どちらでも対応ができるでしょう。二つの科の強みと弱点は次の通りです。精神科の場合精神的ストレス、病的精神状態の対応に強い代わり、身体症状がある場合に内科疾患との鑑別に難点があると思われます。逆に、内科系の心療内科では、内科疾患との鑑別やある程度のストレスに対する治療は対応できるでしょうが、例えば幻覚、妄想、幻聴といった明らかな精神疾患は強くないと思われます。こういった症状の場合は精神科(メンタルクリニック)に受診するのがよいでしょう。でも、看板だけではそんなのわからないよ、という方には一つの方法をお教えしましょう。看板に心療内科・精神科とある場合は精神科の先生のことが多く、心療内科だけが載っている場合、内科系の心療内科のことが多いようです。受診の際の目安にしてください。

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心療内科と精神科 その1

他でもよく書かれていることですが、厳密に言えば心療内科と精神科は全く異なった科です。心療内科とは、精神的なストレスから起きる、身体的な症状、疾患に対処するため、心理的アプローチを治療に併用する診療科で、精神科とは、文字どうり精神の変調を、面談や、薬物等を使用して治療する診療科です。そんなこと言われてもよくわからないですって?そうだと思います。わかりやすく言うと、心療内科の対象は、本当に身体に病気がでている場合で、精神科の対象は、身体には病気がないということです(身体の症状が出ることはあります)。現在心療内科の看板を出しているクリニックは、ほとんどが精神科をメインとしている先生で、私のような純粋に心療内科を学んだものは少数派です。

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体がだるい、食欲がない、やる気が出ない・・・うつ病だよね?その3

肝機能が正常で、貧血がなければ、これはうつの症状でしょうか?じつはまだ落とし穴があります。それは甲状腺機能です。甲状腺機能は亢進すると動悸等のパニック症状と紛らわしい症状が出ますし、低下すると、食欲がない、やる気が出ない等、まるでうつではないかという症状が出ます。一般内科の医師でも案外、甲状腺機能は検査をしないことがありますので、要注意です。最後に、無理なダイエットのための極端な飢餓状態でも、うつのような症状が出ます。体がだるく、頭がボッとして考えるのも面倒くさい、やる気が出ない。食欲中枢も鈍くなって食欲がない・・・。まるでうつ病か拒食症のようですが、点滴などで血糖の値を上げると症状が消えることもあります。うつだと思い込んで、そちらの治療に気を取られていると、さらに症状が進み、命にかかわることも出てきますので、このような場合、うつ症状が先か、無理なダイエットが先か、よく見分ける必要があります。

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体がだるい、食欲がない、やる気が出ない・・・うつ病だよね?その2

このような症状で心療内科を希望して、来院される方も多いのですが、まずは貧血があるか、あるいは肝機能が正常であるかを、除外する必要があります。貧血だけでも動悸の他に、体がだるい、やる気が出ないといった症状は出現しますし、肝機能障害も食欲がない、体がだるい、といった症状が主となります。貧血にしても肝機能障害にしても、一般的な診察と、血液検査でほとんど診断できます。では、これらが正常なら、うつ病かというとそうでもありません。じつは一般的な水準の内科医でも、最初にはやらないかもしれない検査がありますが、これの異常でも、うつに近い症状が出現することがあるのです。それは次回に。

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体がだるい、食欲がない、やる気が出ない・・・。うつ病だよね?その1

初診の時に「私はうつ病です」と自分で診断してくる方がいます。そしてこのタイプの方が「内科の検査は受けましたか?」という問いに一番露骨に嫌な顔をするようです。「どうしてうつだと思いますか?」と聞くと「だってやる気が出ないし、食欲がない。体もだるくて仕方がない。」とのことです。最後に「ネットで見たら全部あてはまるのに、なんで今更検査が必要なんですか?」と思い切り不満そうに言われるのですが、はたしてこの症状はうつ病にしか出ないものでしょうか?

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動悸、息切れ。これって・・・その3

これはまだ、私が大学から地方の病院に出向していた時の話です。一か月前に奥様が急に亡くなった方が、ご家族と一緒に外来に受診されました。ご家族曰く「母が亡くなってから食欲もなく、最近になって動くと苦しいと言っている。何もやる気がなく、そのくせ夜中はずっと起きていて家族に呼びかけるので家族が夜休めないので困る。きっと神経の問題だから何か安定剤でも出してくれ」というのが連れてきたご家族の言い分でしたが、診察してみると胸の音はゼイゼイと喘鳴がひどく、足もむくみ、明らかな心不全症状でした。あわてて胸部のレントゲンを撮影したら案の定肺が水浸し状態でレントゲンでは真っ白。(ふつう肺はレントゲンでは黒っぽく写ります。)即日入院をして心不全の治療をしたら、すっかり元気になられました。これは極端な例ですが「息が苦しい」という症状は多くの場合は心臓、呼吸器の症状です。最低限でも胸部レントゲンと心電図検査(できれば24時間心電図)は受けたいところです。

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動悸、息切れ。これって・・・その2

発作的に動悸が起きる場合、心臓系の病気の検査は外すことができません。安静時の心電図が正常でも発作性の不整脈というものがあります。このため内科で心電図をとって何でもないといわれた、だから心療内科にきたという方もいるのですが、その前に24時間ホルター心電図を検査してもらってください。案外隠れていた不整脈というのは見つかるものです。また発作性の不整脈でもまれに致命的なものもありますので、内科的、循環器科的に十分な検査を受けてほしいものです。

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