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体がだるい、食欲がない、やる気が出ない・・・うつ病だよね?その2

このような症状で心療内科を希望して、来院される方も多いのですが、まずは貧血があるか、あるいは肝機能が正常であるかを、除外する必要があります。貧血だけでも動悸の他に、体がだるい、やる気が出ないといった症状は出現しますし、肝機能障害も食欲がない、体がだるい、といった症状が主となります。貧血にしても肝機能障害にしても、一般的な診察と、血液検査でほとんど診断できます。では、これらが正常なら、うつ病かというとそうでもありません。じつは一般的な水準の内科医でも、最初にはやらないかもしれない検査がありますが、これの異常でも、うつに近い症状が出現することがあるのです。それは次回に。

中澤医院|高崎市の内科

 カテゴリ:心療内科

体がだるい、食欲がない、やる気が出ない・・・。うつ病だよね?その1

初診の時に「私はうつ病です」と自分で診断してくる方がいます。そしてこのタイプの方が「内科の検査は受けましたか?」という問いに一番露骨に嫌な顔をするようです。「どうしてうつだと思いますか?」と聞くと「だってやる気が出ないし、食欲がない。体もだるくて仕方がない。」とのことです。最後に「ネットで見たら全部あてはまるのに、なんで今更検査が必要なんですか?」と思い切り不満そうに言われるのですが、はたしてこの症状はうつ病にしか出ないものでしょうか?

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 カテゴリ:心療内科

動悸、息切れ。これって・・・その3

これはまだ、私が大学から地方の病院に出向していた時の話です。一か月前に奥様が急に亡くなった方が、ご家族と一緒に外来に受診されました。ご家族曰く「母が亡くなってから食欲もなく、最近になって動くと苦しいと言っている。何もやる気がなく、そのくせ夜中はずっと起きていて家族に呼びかけるので家族が夜休めないので困る。きっと神経の問題だから何か安定剤でも出してくれ」というのが連れてきたご家族の言い分でしたが、診察してみると胸の音はゼイゼイと喘鳴がひどく、足もむくみ、明らかな心不全症状でした。あわてて胸部のレントゲンを撮影したら案の定肺が水浸し状態でレントゲンでは真っ白。(ふつう肺はレントゲンでは黒っぽく写ります。)即日入院をして心不全の治療をしたら、すっかり元気になられました。これは極端な例ですが「息が苦しい」という症状は多くの場合は心臓、呼吸器の症状です。最低限でも胸部レントゲンと心電図検査(できれば24時間心電図)は受けたいところです。

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 カテゴリ:心療内科

動悸、息切れ。これって・・・その2

発作的に動悸が起きる場合、心臓系の病気の検査は外すことができません。安静時の心電図が正常でも発作性の不整脈というものがあります。このため内科で心電図をとって何でもないといわれた、だから心療内科にきたという方もいるのですが、その前に24時間ホルター心電図を検査してもらってください。案外隠れていた不整脈というのは見つかるものです。また発作性の不整脈でもまれに致命的なものもありますので、内科的、循環器科的に十分な検査を受けてほしいものです。

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 カテゴリ:心療内科

動悸、息切れ。これって・・・その1

すこしでも動くと息切れがする。なんとなく心臓が早く打ってドキドキする。そうだ、ネットで見たパニック発作ってこんな感じだったっけ・・・。ということで心療内科を受診する方がたまにいますが、ちょっと待ってください。たしかに、パニック発作・パニック障害という症状はありますが検査を何もしないで、いきなり心療内科(あるいはメンタルクリニック)に受診すると、取り返しのつかないことになる可能性があります。内科にこんな症状の方が受診したら、まず貧血症状を疑います。貧血自体も運動時の息切れや、頻脈・動悸を主症状とし、加えて全身の倦怠感も出現しますが、診察の時、眼瞼結膜の色を見たり基本的な血液検査(貧血検査)で容易に診断することができます。そして貧血の陰には、消化管の出血や、血液の疾患などの生命にかかわる病気が隠れていることも、数多くあります。一つの症状だけで、一つの病気の診断ができることはほとんどありません。心療内科に受診するのは、一般的な検査を先にしてからでも、遅くはないのです。

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 カテゴリ:心療内科

心療内科と思う前に

当院では心療内科を標榜しているためか、ご自分で「私は心療内科です」とおっしゃる方が結構受診します。そういった方に、「内科で検査はしましたか?」とお聞きすると、半分くらいの方は不思議そうな顔をします。「なぜ自分が心療内科だといって受診してるのに内科の検査の話をするんだ?自分は心療内科だと思うから、わざわざ選んできたんだよ。」といいたげな様子を、露骨に表す方もいます。しかしながら、体に症状が出ているのに、精神的なストレスが原因と決め打ちをするのは、実は危険なことなのです。ここ数回では、心療内科のように思える症状と、そこに隠れているかもしれない、内科の病気の話をしていこうと思います。

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 カテゴリ:心療内科

煙草とアルツハイマー

以前、煙草がアルツハイマー病の予防に有効という研究が発表されて一大センセーションを起こしたことがありました。愛煙家の管理するHPにはいまだに残っているのですが、その後の研究では煙草は逆にアルツハイマーに悪影響を与えるといった結果が主流になっています。さらに言えば煙草は動脈硬化も進行させますので脳血管性痴呆も多くなるとされています。現時点では煙草は体に良い影響はないと考えるしかないようですね。

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 カテゴリ:禁煙について

煙草はストレス解消に役立つ?

煙草を擁護する人たちの論拠の一つが「煙草がストレス解消になる」という説ですが、これは本当でしょうか。よく「仕事の後の一服で、それまでのストレスが嘘のように消える」という人がいますが、実際にはこの状態はニコチン依存症の一つの症状です。ニコチン依存は精神依存と、身体依存がありますが、仕事中にタバコが吸えない人たちが、イライラするのは実はニコチン切れのための精神依存によるストレスで、非喫煙者には感じないものです。早い話がニコチン切れで、イライラが最高の時にニコチンを摂取すると、イライラが取れる。もっとはっきり言うと麻薬・覚せい剤の中毒者と同じような状態なのです。そして、これが禁煙治療の、最大の難関といえるものです。ただはっきりいえるのは、「煙草がストレス解消に役立つ」のではなく、「煙草が作ったストレスが、喫煙で一時的に軽減する」というのが本当のところです。

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 カテゴリ:禁煙について

妊娠と煙草

喫煙が妊娠に悪影響を及ぼすのは常識になっています。具体的には、低体重児、流産、早産などがあり妊娠中の禁煙は必要でしょう。さらに煙草を吸っていると流産のリスクも高まるということです。将来に妊娠を考えている方は早めに禁煙にチャレンジしましょう。

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 カテゴリ:禁煙について

煙草とCOPD

COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病名をご存知の方もいると思いますがこの病気の原因に煙草があげられます。煙草の煙に含まれる化学物質は気道の過敏性を亢進する上に、肺胞(肺の中にある呼吸に関係する小さな袋状の器官)を破壊するといわれています。この肺胞が破壊されることにより体内での酸素と二酸化炭素の交換が阻害され血液の酸素が不足します。また肺胞の破壊の結果徐々に肺の容量が増えますが、これは呼吸に無関係な死腔と呼ばれる空間が増えるのです。また気道の過敏性の亢進は一回吸った空気を吐きにくくさせるためレントゲン写真での見た目上肺は極端に膨張して見えます。また一秒間に吐き出せる空気の量は正常と比べかなり少なくなります。症状的に言うと咳・痰・喘鳴・労作時呼吸困難が出現します。昔「喘息」と年配の方が言っていた症状にそっくりですね。実際この「喘息」のなかにかなりCOPDが含まれると考えられます。さらに厄介なのはCOPDは治癒することなく(肺胞の破壊が本質ですから)進行するだけの疾患です。近年はさまざまな治療法が研究されていますが基本的には進行を遅くするしか治療法はありません。ただ早い時期から禁煙をすれば症状の進行は抑えられ健康な人に近い生活が送ることができるといわれています。

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 カテゴリ:禁煙について