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高血圧の話5

高血圧という病気は、体の中でどのようなことが起こっているのでしょうか?まず一つ目は、血管の中を流れる循環量の増加です。要するに、血液を含む体液の量が増えるため、一定の太さ以上に広がることができない血管の内圧が高くなり、高血圧といわれる状態になるのです。具体的には、腎機能の低下や心機能の低下(腎不全・心不全)が起きた場合、尿の排泄量が少なくなり、血圧が高くなる場合が考えられます。このような場合は、循環量を減らすために利尿剤が使用されます。「血圧の薬を飲むと、おしっこが近くなる」というのは、多くは利尿剤の作用だと考えられます。以前は、高血圧の治療薬も種類が少なく、利尿薬の活躍の場も多かったのですが、近年では治療法も増えて、利尿薬単独の治療は少なくなっています。

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高血圧の話4

生活習慣で、血圧を上げないようにするには、飲酒と喫煙の問題もあります。まず、飲酒ですが、大量の飲酒は高血圧のみでなく、脳卒中、心疾患、睡眠時無呼吸などを引き起こすといわれています。しかし高血圧患者においては、少量の飲酒は心血管病のリスクを軽減する、という報告もあり、そのメカニズムとともに、今後の検討対象といわれています。少量の具体的量ですが、エタノールで男性20~30mL(およそ日本酒1合、焼酎半合弱、ウィスキー・ブランデーダブル1杯、ワイン2杯弱)/日以下が一般的です。喫煙に関しては、別項目(禁煙について)でも書いていますが、これは癌だけでなく、冠動脈疾患、高血圧等の強力な危険因子であり、その影響は、本人だけでなく、周囲にも及ぼされるという報告があり、高血圧治療では、禁煙も重要であるという考えが一般的です。

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高血圧の話3

高血圧の運動療法というのは、以前から言われていたことですが、具体的にはどのようにしたらよいのでしょうか。有酸素運動(水泳やウォーキング等)の有用性は降圧効果だけではなく、体重・体脂肪の減少・インスリン感受性の改善(糖尿病の改善)・血清脂質の低下が指摘されています。ただし、やたら運動をすればよいわけではなく、すくなくとも一回10分以上で、一日の合計30分以上の有酸素運動がすすめられています。運動の強度や時間が強すぎたり、長すぎたりしますと、高血圧症のかたでは、運動中の血圧上昇が激しすぎて、同じような運動をしている正常血圧のかたより、寿命が短い、という報告もあります。何事も、やりすぎ、頑張りすぎはよくないということも、知っておいてください。

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高血圧の話2

高血圧の治療には、様々な生活習慣の改善が、必要となります。生活習慣の改善は、軽度の降圧が期待されるばかりでなく、降圧薬の作用増強や、減量の助けとなります。その一つに減塩があります。減塩の目安としては、欧米のガイドラインで6g/日あるいはそれ以下、WHOのガイドラインでは5g/日未満とされています。しかし日本人はもともと塩分摂取が多く、(10g/日以上)このため、日本の最新のガイドラインでは、欧米と同じく6g/日を目標としています。なかなか厳しいラインですが、日本高血圧学会減塩委員会のレシピなどが、参考になると思われますので、のぞいてみてください。また、野菜・果物・低脂肪乳製品も、血圧を下げる意味では、必要とされています。次回は運動について書いてみたいと思います。

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高血圧の話1

最新の高血圧治療ガイドでは、治療対象となる高血圧は、全年齢で、140mmHg/90mmHg以上の高血圧症患者といわれています。これに血圧の数値と血圧以外の危険因子、高血圧性の臓器障害の有無によって、低リスク・中等リスク・高リスクに分けられ、治療が決定されます。危険因子としては、年齢・喫煙歴・脂質代謝異常・肥満・糖尿病などがあげられ、臓器障害としては脳・心臓・腎臓・血管の硬化・眼底での所見があげられます。具体的にどのような治療が選択されるかというと、低リスク群では、3か月生活習慣を改めるようにしても、血圧が140mmHg/90mmHgを切らない場合に降圧剤投与、とされています。中等リスク群の場合でも1か月の改善努力で血圧が下がらなければ降圧剤、高リスク群ではただちに降圧剤治療とされています。低リスク群は血圧140~159mmHg/90~99mmHgで危険因子がない群とされていますが、実際に薬を使わないでどのように血圧を下げるようにするかというのは次回に書こうと思います。

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AGAの治療薬3

フィナステリド(プロペシア)とならんで、皮膚科学会でその効果が認められているのが、ミノキシジル(リアップ)です。もともとは、血管拡張作用のある、降圧薬として開発された薬ですが、開発当時より、多毛症(毛が多くなる症状)やほかの副作用があり、結局、降圧薬としては認可されませんでした。この多毛症に目をつけて、現在はAGA(男性型脱毛)の治療薬として使われていますが、頭皮に振り掛ける従来の方法では気化してしまうため、著明な効果は認められませんでした。そこでAGAの治療を主として行うクリニックでは、頭皮に注射をしたり、内服錠を使用したりすることがあります。ただし元が降圧薬なので、血圧が下がりすぎるなどの副作用があり、使用は慎重にするべきと思われます。

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AGAの治療薬2

フィナステリド(プロぺシア)は日本皮膚科学会が、正式に認めているAGA(男性型脱毛)の治療薬です。もともとは前立腺肥大の治療薬として開発されましたが、内服したかたが、増毛する傾向があるということで、AGA治療薬として注目されるようになりました。作用としては、男性ホルモン(テストステロン)から、毛根障害物質であるDHTへの変化を阻害することにより、脱毛を抑制するというものです。一般的には1日1mgを内服します。AGAを治療する医療機関で、最も一般的に使われている薬剤です。当院でも、この内服薬を中心に治療を進めていきます。

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AGAの治療薬 1

AGAの治療薬として日本皮膚科学会が推奨しているのは2種類あります。一つはフィナステリド(プロぺシア)です。AGAの原因の一つにテストステロン(男性ホルモン)が変化したDHTが毛根を痛めるということがあるのですが、テストステロンからDHTへの変化を抑制するのがフィナステリドです。これは内服で使用されます。もう一つがミノキシジルです。これは発毛剤の「リアップ」の名前で薬局で販売されていますが、外用だとかなりの量が気化するため、頭皮から吸収されにくいという欠点があります。これらの短所、長所については次回に書こうと思っています。

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AGAの特徴

男性型脱毛は脱毛の発現の仕方にいくつかのパターンがあります。生え際から起こるタイプ、頭頂部から起こるタイプ、その混合型が一般的です。またAGAは毛根の障害が本質ですので、頭髪自体は残っているのですが、その太さが、正常と比べて細い(育ち切っていない)という特徴があります。いづれの型にしても、重症化する前の治療は可能といわれています。チェックするべきは祖父母、父母に薄毛の人がいたか・産毛のような細く腰のない毛髪が増えたか・頭頂部、または生え際からゆっくり脱毛が進行しているか・の3点が重要と思われます。

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薬のこと その3

最初に、明らかに薬をずっと続ける必要のないケースは、急性の感染症です。いわゆる風邪やインフルエンザ、急性の胃腸炎(食あたり、ノロ・ロタウィルス感染症・O157感染症・他)などがあげられます。これらに対する薬は原因であるウィルスや細菌を殺す薬や、それらの病原菌が引き起こす、各種の症状を緩和するための薬ですので、体内にその原因がなくなり、症状がなくなれば、続ける必要は全くありません。それでは、生活習慣病といわれる、病気の薬についてはどうでしょうか?これは、高血圧症・糖尿病・高脂血症といった病気が、どのような原因で引き起こされるか、考える必要があります。あとは次回に。

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